けふ彼岸菩提の種を蒔く日かな 蕪村
彼岸と言う言葉は、梵語(インドの古い言語)でパラミ-タと言う語に由来すると言われています。波羅蜜、到彼岸と漢訳されました。菩提の種を蒔くとは、この彼岸に到るための善い行いをしようという意味です。
彼岸(ひがん)とは、煩悩を飛び越えた悟りの境地のことで、煩悩や迷いに満ちたこの世をこちら側の岸「此岸」(しがん)と言うのに対して、向う側の岸「彼岸」というのです。
「彼岸会(ひがんえ)」は、春分・秋分を中日とし、前後各3日を合わせた7日間のことです。また、この期間に行われる仏事のことをいいます。暦の上では最初の日を「彼岸の入り」、最後の日を「彼岸明け」と言う。俗に、中日に先祖に感謝し、残る6日は、悟りの境地に達するのに必要な6つの徳目、六波羅蜜を1日に1つずつ修めるためとされています。
六波羅蜜とは
・・・大きく深い幸せに向かう六つの実践をいいます・・・
布施(ふせ) 限りない慈しみと与える喜びを知る
持戒(じかい) 正しい生活をして自身の完成に努める
忍辱(にんにく) 寛容な心を持ちものごとにあたる
精進(しょうじん)怠ることなく一生懸命努力する
禅定(ぜんじょう)心穏やかにして真理を見極める
智慧(ちえ) ものごとの道理を正しく理解する
六波羅蜜の実践は自分のためだけのものではありません。周りの人の幸せを願って六波羅蜜を実践するとき、私たち自身が、大きな安らぎに導かれていくのです。
大きな災害が続いています。せめて、この1週間、慎みをもって生活し、亡くなった方々や先祖のために祈り、自分自身の生活をもう一度見直してみましょう。
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